プロ野球ゲームの定番、パワプロシリーズがスーパーファミコンで発売されたのは初代94~3まで。
2等身選手にミートカーソルのシリーズ原型はすでに出来上がっている。
実況パワフルプロ野球’94
機種 | スーパーファミコン |
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メーカー | コナミ |
ジャンル | スポーツ |
発売日 | 1994年3月11日 |
価格 | 9,450円 |
容量 | 16MB |
実在のプロ野球をベースにした野球ゲーム。
12球団の所属選手と球場名は実名。
各選手の能力は93年シーズン終了時のデータをもとにしている。
コントローラー操作(バッティング)
パワプロ仕様のタイプAとファミスタ風タイプBの切り替えが可能。
TYPEA | TYPEB | |
十字ボタン | ミートカーソル移動 | 同じ |
Aボタン | バント | スイング |
Bボタン | スイング | 使用しない |
Xボタン | 使用しない | バント |
Yボタン | 使用しない | 使用しない |
LRボタン | ミートカーソル切替 | 同じ |
セレクトボタン | 設定画面 | 同じ |
スタートボタン | タイム・解除 | 同じ |
BGM
スポーツゲームらしく軽快なフュージョン風のテーマソング。
あとは基本、野球ゲームなんで応援歌なんですよね。
ゲームレビュー
実況パワフルプロ野球’94は、それまで野球ゲームで圧倒的に強かったナムコのファミスタシリーズの牙城を崩す事になるパワプロシリーズの1作目タイトルです。
ファミコンでは敵なしのファミスタでしたが、スーパーファミコンのスーパーファミスタシリーズになると打球や送球の方向や速度など不自然な点が目立つようになり、進化するどころかむしろ退化とも言える雑な仕上がりが目立つようになってきます。
コナミは勝算ありとみて勝負に出たのが本作となります。
私はリアルタイムでプレイしておらず、かなり後になってからプレイしましたが、バッティングがとにかく難しく最初のうちはヒットどころか空振りばかりでバットに当てる事すらなかなかできませんでした。
ある程度練習すらば何とかヒットを打てるようになるのですが、操作方法も微妙に違うのでファミスタの感覚でプレイすると苦労します。ここを乗り越えられるかがパワプロシリーズを楽しめるかのポイントでしょう。
最初にプレイしたのがプレステ版で本作はスーファミなのでミートカーソルがアナログパットでなく十字キー操作で感覚が違って結構苦戦しました。
本作の舞台となる1993年シリーズは、ゴジラ松井こと松井秀喜がルーキーの年でイチローはまだプロデビューすらしていませんでした。
評価できる点
すべてのプレイに実況が入る
試合のワンプレイ毎に朝日放送(ABC)安部憲幸アナウンサーによる実況が入ります。
これまでも燃えろ!!プロ野球を始めとして合成音声を取り入れた野球ゲームはありましたが、すべてのプレイに実況が入るというのは本作が初めてでした。
バッティングでの高低差の導入
ファミスタまではボールの高さという概念はフォークボール(落ちる球)以外なかったので画期的でした。
高低差がないとバッターはタイミングだけで打てるので追い込まれてもほぼ空振りがなくヒットを打てますが、実際のプロ野球では3割打者でも空振り三振は避けられません。
ファミスタに慣れていると最初は戸惑いますがパワプロ流に慣れてくると、こちらのほうがより本物のプロ野球に近いと実感できます。
ボタン4つで塁を指定
スーパーファミコンのボタンが4つあるのでこれを野球ベースに見立てて走塁、送球をひとつのボタンで指定できるようになりました。
際立つ選手の個性
各選手を明確にポジションを振り分け、能力値アルファベットで表示、一部の個性的なフォームの選手にはオリジナル対応。
例えば野茂投手のワインドアップからのトルネード投法が2等身ながら見事に再現されています。
マイナスな点
実況音声にデータを使い過ぎたせいかペナントが最高15試合までしか戦えません。
バッテリーバックアップではなくパスワード方式で再開とこの時代としては後れを取っています。
また最初の作品という事もあってその後の定番となる機能であるミートカーソルを固定できる『ロックオン』やチームでまとめて練習できる『総合練習』、オリジナル選手を作成できる『サクセス』もありません。
独断評価チャート
実況パワフルプロ野球3
スーパーファミコンで発売された最後のパワプロシリーズ。
各選手の能力は95年シーズン終了時のデータをもとにしている。
本作からついにオリジナル選手が作成できるサクセスモード、レギュラー選手をまとめて練習できる総合練習モードが導入された。
同じスーパーファミコンでありながら94から大幅に画質も向上している。
機種 | スーパーファミコン |
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メーカー | コナミ |
ジャンル | スポーツ |
発売日 | 1996年2月29日 |
価格 | 7,500円 |
容量 | 24MB |
売上 | 34万本 |
まとめ
パワプロは以前の野球ゲームに比べてバッティング操作が難しくなっていますが、いったんバッティングのコツをつかむとなるほど面白い!と感じるようになりました。
それまでの野球ゲームで遊んできたプレイヤーにとってコースの高低差があり実際の野球に近いパワプロシリーズで遊んだ事でファミスタ以前に後戻りできなくなり、その後は開幕版、決定版やハード別に年間3.5本のハイペースで発売を続けたパワプロがファミスタに取って代わる存在になったのは必然と言えるでしょう。
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