
ディスクシステムで前後編2枚で発売された探偵 神宮寺三郎シリーズ3作目。
タイトルの『危険な二人』は、沢田研二のヒット曲から引用。
機種 | ファミリーコンピュータ |
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メーカー | データイースト |
ジャンル | アクション |
発売日 | 前編:1988年12月9日 後編:1989年2月10日 |
価格 | 3,300円 |
容量 | 112KB |
ゲーム概要

コマンド総当たり式アドベンチャーゲーム。
今回はディスクシステムなので前回のようなパスワード入力の必要もなくセーブが可能になっている。
今回は一時的に洋子だけで行動できる場面もあり。
ファミコン版は前後編と2枚構成に分かれていたが、PS版では1つのゲームゲームとして統一されている。
ゲームストーリー
助手の御苑洋子の学生時代の友人・岡崎京子の招待で、オレたち二人は久し振りの休暇を利用して、京子の亭主・岡﨑慎二――彼は日本を代表するライダーだと言われている――の出場するオートバイ・レースの観戦に来ていたのだった。
説明書より抜粋
レースがスタートして、どのぐらいの時間が過ぎただろうか。似たような容姿をしているライダーの中に、岡崎慎二の姿が見えないことに気がついた。隣りに座る洋子も同じことを考えていたらしく、彼女にうながされて、オレたちは彼の所属するチームのいるピットに急いだ。
二人の予感は的中してしまった。岡﨑は事故を起こしていたのだった。すでに彼は救急車によって病院へ運ばれていたようだったが、彼の所属するチームの監督・細田功が、オレを探偵と知り、病院へ同行してもらいたいと告げてきた。
アカの他人のオレが何故…、少なからず不審に思いながらも、友人の京子の所在を心配する洋子を残し、オレは細田とともに病院へ向かった。
その扉の前に並べられた椅子に二人で腰を降ろしながら所在なげに待っていると、細田は思い余った口調で意外な事実を明かした。
――事故を起こしたのは岡﨑ではなかったのだ……。
さらに彼はオレに、岡﨑の行方を捜してくれるように依頼してきたのだった。
しばらくの間、オレは細田に最近の岡﨑の様子、行動などを聞いていたが、いつやって来たのか、ふり向くと洋子が悄然と立ち尽くしていた。
声をかけると、彼女は青ざめた唇を震わせながら、言葉にならない涙声で話し始めた。
――岡崎京子が他殺体で発見されたことを……。
コントローラー操作
十字ボタン | コマンド選択、切り替え |
Aボタン | コマンド実行、メッセージ表示 |
Bボタン | コマンドキャンセル |
セレクトボタン | 使用しない |
スタートボタン | 使用しない |
BGM
タイトルトラックはリズムカルでサスペンスチックな名曲。
その他のBGMもミステリアスで大人っぽいファミコンらしからぬ雰囲気です。
攻略法
今回は神宮寺が重要な場面だと教えてくれるので攻略がこれまでと比べて容易になっています。
ほとんど難しい場面はなくスイスイ進める事ができるでしょう。
攻略動画
ゲームレビュー
1作目はディスクシステムで発売され、2作目はROMカセット、このままカセットで行くのかな?と思わせといて3作目はまさかのディスクシステムに出戻りで2枚組という意表を突いたリリースとなったソフトです。
ディスクシステムのほうがコストが安いとかセーブができるとか当時ならではの利点もあったのでしょうね。
さて、神宮寺が熊さんに殺されそうになる場面から『危険な二人』の物語はスタートします(お約束の夢オチ)。
最初に助手の洋子君の親友、『きょうこ』の夫でレーサーでもある『おかざきしんじ』のレース場に観に行く場面から物語は展開していく訳ですが、やっぱり『おかざきしんじ』って言えばどうしてもサッカー選手で日本代表だった岡崎慎司を思い浮かべてしまうんですよね。
まあこのゲームが発売されたのは彼が生まれてから2年後なんでまったくの偶然なのですが。
そういや岡﨑京子ってマンガ家もいたな。ただの偶然?と思ってたら、この時点ですでにデビューしていたのでもしかして関係があるのかも知れません。
そして何と 岡﨑京子は『危険な二人』という作品を書いているではないか!しかも92年って事はこの『探偵 神宮寺三郎 危険な二人』に影響を受けてタイトルを付けたって事???
まあこの話はそのくらいにして、この『危険な二人』はそれまでの2作品との違いは、ストーリーの展開が早くどんどん物語がスムーズに進む事です。
序盤で一時的に洋子ひとりになって捜査する場面も面白かったし、次々と登場人物が加わり、このすごい早さで殺されていくというスピーティーで先が読めない展開。
前半から後半へ続く場面で神宮寺が通行人から殴ってバイクを奪って容疑者を追走するって場面がありますが、これってどう考えても強盗罪だよね?
盗んだバイクで走り出すって尾崎豊かよ!?いくら熊さんと友達でも有罪くらうはずなんだけど。

追いついた先は公園。この場面での捜査が唯一やや手こずった場面でした。(ヒントは酔っ払いのおっさん)
あと、ホテルのフロントで話を聞く時もちょっと手こずったかな。
エンディングでは、洋子が先月と今月のお給料をもらっていない事が判明!
それに何?この恋愛に発展しそうなフラグは。でもこれ以降のタイトルでも二人の関係は進展せず・・・
評価できる点
キャラクターのグラフィックも改善しているように思えます。おばさん臭かった洋子もかわいくなったかな。
理不尽な謎解きもなくストーリーがテンポよくどんどの進みます。
前2作はどこで重要な証言を聴けるかほぼ分かりませんでしたが、今回は神宮寺が重要な場面だと移動しようとしなかったりしてプレイヤーに親切に教えてくれます。
マイナスな点
展開が早い反面、次々と名前だけの登場人物が現れるので後半にいくほと混乱してきました。
キャラクター毎の掘り下げがほぼなく気付いたら殺されてた、死んでいたみたいな感じなので、意外性があってもショックって感じじゃなくあっさりしています。
前半は演出もアイディアも豊富でしたが、後半に進むにつれ尻切れトンボ気味になるのはこのシリーズの特徴と言えるかも知れません。
まとめ
ディスクシステム2枚分のボリュームは伊達じゃなく、演出もBGMも豊富でそれまでの神宮寺シリーズとは比べ物になりません。
真犯人も最後まで分かりにくくしているのも過去作よりも評価できます。
PSでは、本作を含むファミコンで発売された神宮寺シリーズ4本をまとめた『探偵神宮寺三郎EarlyCollection』に収録されています。
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