子とも向けだったファミコンに突如登場したハードボイルドキャラクター、神宮寺三郎によるシリアスなアドベンチャーゲーム第一弾ソフト。
理不尽な謎解きの多く、突っ込みどころも満載。
機種 | ファミリーコンピュータ |
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メーカー | データイースト |
ジャンル | アドベンチャー |
発売日 | 1987年4月24日 |
価格 | 3,300円 |
累計売上 | ?本 |
新宿中央公園殺人事件とは?
コマンド総当たり式テキストアドベンチャーゲーム。
プレイヤーは、新宿を根城とする探偵、探偵神宮寺三郎となって新宿中央公園で遺体で発見されたバーのホステスの桃子の事件解決を依頼してきた熊野刑事、助手の洋子と共に捜索する。

新宿公園内に入るとなぜかフィールド画面になり十字キーで移動する必要がある。
コントローラー操作
十字ボタン | コマンドの選択 |
Aボタン | コマンドの決定 |
Bボタン | コマンドの解除 |
セレクトボタン | 使用しない |
スタートボタン | 使用しない |
コマンド
そうさにいく | 場所を移動する。 |
ききこみ | 登場人物から証言をとる。 |
ものしらべる | その場にある証拠品や、自分の持ちものを調べる。 |
ひとかんさつ | その場にいる人をくわしく観察する。 |
メモみる | いままでに調べた人についてメモを見る。 |
よぶ | 人によっては呼び出せない場合も… |
とる | その場でみつけた証拠品をとる。 |
なにかみせる | 自分の持っている証拠品を相手に見せる。 |
おどす | 相手を脅して証言を取る。でもあまり使いすぎると…。 |
まわりみる | 周囲を見渡し、不信な点がないか調べる。 |
タバコすう | 神宮寺が愛用のライターに火をつける時、何かが頭にひらめく! |
こくはつする | 真犯人がわかった時に熊野刑事に犯人の名前を告発をする。 |
BGM
効果音的なBGMはあるけど、基本オープニングと名前登録と移動時とエンディングのみ。
エンディングテーマがあまりにもあっさりし過ぎ。これも時代なのか?
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ゲームレビュー
思えば神宮寺三郎って何か子供心をくすぐるキャラクターだったと思います。
探偵という実際は地味なんだけど架空の世界ではカッコよく思える職業、新宿を根城にする怪しくて一匹オオカミ的な存在感、そして洋子との関係性など。
そして何といっても大人の象徴である「タバコを吸う」のコマンドでしょうね。
そういや最近、タバコを吸う描写がある絵本が発売停止になるとかのニュースがありましたが、分煙、禁煙がすすんだ現在だったら新宿中央公園殺人事件の設定も変わっていたかも知れないですね。
プロフィール見たら神宮寺三郎って29歳だそうです。
ずっと大人だと思ってたのにいつの間に年下になったんだ神宮寺三郎!
やたら短気な熊さん
後期になるほど穏やかになっていく熊さんこと熊野刑事ですが、本作ではやたらと気が短く、彼の逆鱗に触れると即ゲームオーバーになるトラップが存在します。
ゲームスタート時に熊さんにアリバイを聞くと「もうたのまん!」と怒って即ゲームオーバーとなります。
これは本当に呆気にとられました。クソゲーとして有名なミシシッピー殺人事件もびっくりの最短ゲームオーバーです。
大体アドベンチャーゲームでゲームオーバーがあるってどうなの?
コレだけじゃなく中盤以降に警察署で熊さんを呼んだ状態で捜査終了したら、「ばかもん!」と怒られてそのままセーブしたら、これまでのセーブデータがすべて消えてしまいました。
仕方ないから泣く泣く最初からやり直しましたよ。本当にこの頃の熊さんは気が短いな。
おどすコマンド
神宮寺三郎シリーズ特有とも言えるのが何とも物騒な『おどす』コマンドです。
このコマンドでヤクザの親分もあたりの人も話をしてくれるようになります。
それにしてもヤクザの事務所で親分を脅すって神宮寺はどれだけ度胸あるんだよ?
ある場所ではあたりの人をおどさないと先に進めないって展開もかなりのモンだけど。
評価できる点
とかく子供向けばかりになりがちなファミコンに風穴を開けたハードボイルド作品で、その後もハードを変更しながら続く人気シリーズの原点としての価値はあります。
この『新宿中央公園殺人事件』での最大の評価ができる点は時間の概念を取り入れた作品という事です。
それまでのファミコンにはこれがほぼなかったのですが、ディスクシステムがセーブてきるという利点を活かして日付によって会える登場人物が変化するというのは斬新でした。
マイナスな点
逆にその時間によって登場人物が変わるというのがゲームの難易度を上げてしまっている面もあります。
ネタバレになりますが、一番の問題点は、派出所の存在が公園内のコメントでほのめかされているのに、『まわりみる』を選択しないとまったく目に見えない事。
ほとんどのプレイヤーはここで詰んだでしょうね。
他にもいかにも序盤であやしい人物がなんのヒネリもなく犯人だった点、一介の探偵に過ぎない神宮寺がなぜか警察の取調室に同行している、死体遺棄の方法がゲームとは言えあまりにもトンデモな方法だった点などツッコミどころは満載です。
同じファミコン初期の堀井雄二氏がシナリオを担当したポートピア連続殺人事件と比べるとストーリー展開やサスペンス性が数段劣ります。
さまざまな問題点のせいでクソゲーに片足を突っ込んでいるソフトですが、キャラクターの魅力によってカバーしている印象ですね。
独断評価チャート

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