
デッドゾーンは、スペースコロニー(人工宇宙島)を舞台にしたファミコンのディスクシステム対応のSFアドベンチャーゲーム。
ディスクシステムならではのFM音源でキャラが喋るというのがウリでしたがなかなかどうしてストーリーも秀逸でした。
機種 | ファミリーコンピュータ |
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メーカー | サン電子 |
ジャンル | アドベンチャー |
発売日 | 1986年11月20日 |
価格 | 2,980円 |
容量 | ?KB |
累計売上 | 35万本 |
ゲーム概要
コマンド選択式のアドベンチャーゲーム。
主人公であるカーク・マックレーは、宇宙コロニー「ライオネックス」の地下の廃棄所からスタートして各フロアの問題を解決しながら最上階にいる婚約者であるマリー・ブラントと再会をして脱出を目指します。
画面はカークの視点で表示され、人間の登場人物のグラフィックはなし。
メッセージの文字はすべてカタカナでタイプライター風の入力音と共に表示されます。
ちなみに映画の『デッド・ゾーン』とは何の関係もないゲームです。
デッドゾーンのゲームストーリー
「おめでとう、マリー」
「おめでとう、カーク」
カークとマリーは2人だけでパーティーを楽しんでいた。マリーは今度始まる新型コロニーの建設のチーフ技術者として選ばれたのである。
今度の設計はプロジェクト名を“ライオネックス”と呼ばれていた。
時は宇宙暦0385年、遠い未来のお話である。
すでに地球は、膨大な人口を支えることができなくなっており、宇宙にスペースコロニー(居住区)を建設し始めた。それ以来385年の間に523号のコロニーが建設されており、地球人のほとんどが宇宙で生活している。今では、地球旅行が人々の夢となってしまっている。
現在では太陽系開発はすでに終わっており、ここ数年来シリウス太陽系の開発が始まっていた。今まで試験的あるいは非常時のみ許可されていたワープ航法が、一般的に使用することが認められ、多少遠い地域でも自由に往来することができるようになったからである。
このストーリーの主人公であるカークは、このシリウス太陽系コロニー第3号のチーフ技術者をやっており、数日前に任務を終えたばかりであった。
カークとマリーは婚約しており、結婚式が目前に迫っていたが、今回のマリーの仕事で延期せざるをえなくなってしまった。「しかし結婚式が延びたのには、まいったなあ」
「なにいってるの。今度の仕事を最後にしようと思っているのに」
「まあ仕方のないことだ。ところでお祝にロボットをプレゼントしよう。手製だぜ。向こうへ行っている間にかわいがってくれよな。」
「かわいい~。名前は?」
「まだ付けてない。ん~、キャリーとでも付けようか?」
「何か意味あるの?」「思いつきさ」
それから5ヶ月、マリーの仕事は順調に進んでいるようだった。カークの方は、スペースポートの設計の仕事をやっていた。シリウス第3惑星は、人間が住むに最適とされ移住計画が浮上してきたためである。
そんな時カークのところにマリーから通信が入ってきた。ライオネックスが順調な為1ヶ月スケジュールが縮まりそうだというのである。
そして、パーティーの準備をしているので遊びに来て欲しいというものであった。
3日後カークはライオネックスに到着した。
工事が終了したためか、ひっそりしている
工事関係者もいない。「驚かすつもりだな。それにしても静かだなあ。」とカークが思ったその時である。あたりが光でいっぱいになった。レーザーショックガンの光である。カークは気を失ってしまった。
どのくらい時間が経ったのだろうか?あたりを見回してみると薄暗い地下室である。
いや地下室ではない。どうやら廃棄所のようである。
壊れたロボットが散乱していた。
「いったい何が起こったんだ!何故俺はここにいるんだ!」カークは叫んだが、むなしく廃棄所にこだまするだけだった。
登場人物
カーク・マックレー
主人公、地球連邦の宇宙開発局に勤務する27歳。
木星第2大学出身で宇宙工学を学び、得意分野は宇宙物理。
マリー・ブラント
ヒロインだが終盤まで登場しない。しかもゲーム中のグラフィックなし。
26歳でカークよりひとつ年下の同僚で婚約者。
水星第7大学出身で電子工学を学んだ。
キャリー
カークが自分で制作してマリーにプレゼントしたロボット。
5ヶ月間マリーと一緒に過ごしていたが地下の排気所で発見される。
ライオネックス
スペースコロニー524号の人工知能を持ったマザーコンピューター。
マリーの手によって『感情』を与えられた為、マリーに特別な感情を抱いている。
コントローラー操作
十字ボタン | コマンド選択 |
Aボタン | コマンドの決定 |
Bボタン | コマンドが7ヶ以上選択できる場合、次のコマンドを表示 |
セレクトボタン | 使用しない |
スタートボタン | コマンドのキャンセル |
コマンド
イドウ | 現在自分の立っている位置を変える。 |
ミル | 自分の立っている位置を変えずに視点のみを変える。 また正面にある物の情報を得たりする時のコマンド。 |
ヌケル | 拡大モードから抜ける。 |
シラベル | 画面に出ている物の、さらに詳しい情報を調べる。 |
もちもの | 現在、自分の持っている物を、確認する。 |
キャリー | もし行きづまったらこのコマンドを入力してみると何かヒントをもらえるかも? |
SAVE | ゲームを終了してディスクカードへ SAVEする。 再開時は SAVE したフロアの一番最初の状態からプレイスタート。 なお、地下1階では、 SAVE コマンドはない。 |
でっどぞーん

ストーリーの中で唐突に始まるミニゲーム。
同じサンソフトの代表的なゲームタイトル、『いっき』のボーナスステージのパロディー。
キャリーを左右に動かして仙人の投げるおにぎりを全てキャッチするとステージクリア。
取れないとクリアまで無限ループ。
難易度は低いのですぐにクリアできる。
BGM
基本的にゲーム中のBGMはなし。
怪しげなオープニングとボーナスステージとエンディングのみにBGMが流れる。
わずかとは言えキャラクターの音声が再生されるのは非常にインパクトがありました。
デットゾーンの裏技
マリーの部屋へワープ
B1で脱出出来ないときにイドウを選びAボタンを押す。
シタを選十字簿談の右とBボタンを同時押し、もう一度右を押し、カーソルが何も表示されていない所で左を押す。
トナリノヘヤで1階のマリーの部屋へワープが出来る。
ゲームレビュー
子供向けが多かったファミコンの中で主人公の年齢が27歳という設定で大人向けなSFストーリー仕立てだったデッドゾーンは異色でした。
ゲーム内容は、地下から始まって徐々に頂上に向けて登っていく単純な構成なのですが、謎解きの難易度が攻略本なしてクリア出来るかどうかのギリギリの範囲内に収まっているバランス感覚が良かった。
評価できる点
他の同時期に発売されたファミコンのアドベンチャーゲームとの最大の違いは、ディスクシステムだったのでセーブ可能な点です。
長いパスワードを入力する手間もなく翌日はセーブした個所からすぐ再開できるので地味に大きかったです。
BGMがない代わりにゲームスタート時から「なぜ俺はここにいるんだ?」という主人公のセリフから合成音声が再生されて度肝を抜かれました。
その他にもロボットの「キャリーどぇーす」などとファミコンのキャラが自らの声で喋るなんて当時はスゴイインパクトでしたね。
現代では音声をサンプリングするというのは当たり前の手法ですが、当時は音楽CDですら、ほとんどまだ取り入れていない時代だったのです。
マイナスな点
ポートピア連続殺人事件と同様にゲーム中のBGMがなくてただワープロを打つような効果音が中心なのは容量の関係で仕方ないとしてあきらめましょう。
まとめ
基本的にはコマンド総当たりシステムなので粘り強くプレイしてればクリアできるはず。
とは言え、子供には謎解きは難しかったので攻略本を見てクリアした記憶があります。
エンディングが何とも切なくて映画化して欲しいくらいです。
このデッド ゾーンってすごい良くできたアドベンチャーゲームソフトでポートピア連続殺人事件やさんまの名探偵と並ぶファミコンを代表する名作アドベンチャーゲームだと思うのですが、今まで一回もPSやDSのダウンロードコンテンツでも再発した事はないようです。
だからいまだにディスクシステムのソフトを探してプレイするしかないってのは何とももったいないですね。
独断評価チャート

デッド ゾーンの攻略
3F 仙人の投げるおにぎりを20個全部取ればクリア
コメント
このゲームは私にとって絶妙な難易度でした。13歳の時に4階か5階で挫折・・・最近30年ぶりに再挑戦し、苦労してクリア。攻略サイト等は一切見ていないので、クリアするのに10時間以上かかりました。かなり出来のいいゲームと思いますが、知名度は高くない・・・不思議。